Flowsquare+リリースのお知らせ

全てが新しい2次元・3次元流体シミュレーションソフト【Flowsquare+】がリリースされました。Flowsquare同様に安価(無料)で容易なインターフェースを有する一方、2次元だけでなく3次元流体シミュレーションの実施も可能になっています。

ソフトウェアの詳細はhttps://fsp.norasci.com/からご覧になれます。

Flowsquare+リリースに際し、本ページにて公開中の旧Flowsquareはサポート対象外となりました。

上ムービー:現在までに実装済みの機能を用いた、Flowsquare+による室内空調の3次元流体シミュレーション実行例(暖房吹き出し口から流入する、温度で色付けしたトレーサー粒子を表示、物体形状はペイント画像で構築)。

最終更新日: 2021年11月29日

Flowsquareとは?

Flowsquare(フロースクエア)はNora Scientificが開発した2次元非定常、非反応/反応性、完全圧縮性/非圧縮性流体シミュレーションソフトウェアです。このソフトウェアは、安価(無料)で易しい操作性のシミュレーションソフトを提供することで、研究者のみならずより多くの人にとって数値流体力学(Computational Fluid Dynamics; CFD)を身近なものにしたいという目的で2009年に開発され、現在までアップデートが続いています。例えば、典型的な流体シミュレーションソフトウェアは2次元流れのみを扱うものであっても1ライセンス当り数10万円というものも少なくなく(参考:株式会社流体力学研究所)、一般的に手が届きません。さらに、一般的に流体シミュレーションの実行には幅広く高度な専門知識を要します。例えば、プログラミング、CAD、メッシュ生成、前処理(初期場の生成)、後処理、などです。Flowsquareで行う流体シミュレーションでは、この様な専門技術を必要としません。必要な前処理は全てペイントソフトを用いて解析対象の絵を描くことと、解析したい条件(流体速度)をテキストファイルに入力することのみです。

車周りの流れのシミュレーション。1枚又は2枚の画像をペイントソフトで描き、流入条件を決めるだけでこのようなシミュレーションが出来ます。数々のケースがシミュレーション例で紹介されています。

車周りの流れのシミュレーション。1枚又は2枚の画像をペイントソフトで描き、流入条件を決めるだけでこのようなシミュレーションが出来ます。数々のケースがシミュレーション例で紹介されています。

主な機能

Flowsquareを用いると、非反応性流体, 反応性流体(予混合・非予混合気)亜音速・超音速流体のシミュレーションを実行できます。Flowsquareの特徴として以下が挙げられます。

  • 計算領域は1枚または2枚のビットマップ画像と一つのテキストファイルで設定できる。
  • 流れ場の可視化はシミュレーションと同時に行われ、さらにビットマップ画像で任意の間隔で保存される。
  • 様々な可視化ツール(カラーマップ、等値線、速度ベクトル、グラフ、ラグランジュトラッキング)が予め用意されている。
  • シミュレーション結果はバイナリデータでも書きだせるため、c、Fortran、Matlabなどを用いて読み込み解析をすることが出来る。
  • 幅広い計算方法、柔軟な計算条件を用いる事が出来る(流入、壁、周期、移動境界条件)。
  • 基本的に無料(サポートは大歓迎)。

前バージョンからの変更点として、以下を含んでいます。

  • 約20%の高速化
  • 高精度計算方法
  • 亜音速・超音速流体の為のオイラー方程式
  • シミュレーション中・後にプロットできる1次元断面グラフ
  • さらに柔軟な初期・境界条件(初期速度変動など)
  • さらに柔軟な可視化ツール
  • シミュレーション後の解析ツール

Back to Top

+ 非反応性流体

様々な非反応性流体をシミュレーションできます。適切な計算方法を設定することでシミュレーションは非常に高精度に行うこともできます(2次元チャネル流れの計算例では理論値から1%未満の誤差)。流入・壁・移動境界を用いることでかなり実用的な流れもシミュレーションすることが出来ます。

カルマン渦列。

カルマン渦列。

+ 反応性流れ

ブンセン火炎。

ブンセン火炎。

低マッハ数条件下の燃焼などの反応性流れも、予混合及び非予混合条件下でシミュレーションすることが出来ます。予混合反応性流体の場合、化学反応は1ステップのアレニウスモデルを仮定しており、反応に関するパラメーターを条件に合わせて任意に選ぶことが出来ます。このモードでは、部分予混合条件の反応性流体を取り扱うこともできます。非予混合反応性流体の場合、無限に速い化学反応速度(infinite chemistry; mixed is burnt)を仮定しています。この予混合・非予混合条件共に化学反応・輸送パラメーターは定数を仮定しています。

+ 亜音速・超音速流れ

Flowsquare 4.0では亜音速・超音速の非粘性流体をシミュレートすることが出来ます。シミュレーション精度を検証するために様々な超音速流れのテストをし、シミュレーション例として斜め衝撃波及びラバールノズルのセットアップを紹介しています。Flowsquareを用いて得られるこれらの解の誤差は、理論値に対して1-2%程度に留まっています。

ジェット流れ。

ジェット流れ。

Back to Top


ユーザー使用例

Flowsquareは世界中で個人や教育施設、企業において幅広い目的の為に使われています。ソフトウェア使用者からのフィードバックは今後の開発にとても重要であり、同時にどのような目的で使われているのか把握するのに役立ちます。以下はFlowsquareが用いられているグループのリストですが、これらが全てではありません。順不同です。

  • 東京工業大学:講義
  • 名城大学:講義
  • 東京農工大学:研究
  • Universität Stuttgart:研究
  • ワカイダ・エンジニアリング(株):製品の初期解析
  • General Electric (GE):社員トレーニング
  • 国立岐阜高専:研究
  • 熊本大学:研究

また、下記の研究・教育機関の学生活動や教育活動に本ソフトウェアは用いられています(2014年11月時点、順不同)。

  • USM Malaysia / AICET / Hydraulics, Ecole Hassania des Travaux Publics / University at Buffalo / 神戸大学 / 日本大学 / Symbiosis International University / Hochschule Furtwangen University / 学校法人日本航空学園 / University College London/ University of Nantes / Baghdad university / 京都大学/ Sycamore Tree Academy / NIT-Surat / University of North Carolina at Charlotte / 東京農工大 / Open University / 東京大学 / 早稲田大学 / Saint Louis University / The Hong Kong University of Science and Technology / Cardiff University / University of Huddersfield / 釧路高専 / 東京理科大 / Universitas Pendidikan Indonesia / Uniwersytet Jagielloński w Krakowie / University of the Philippnes Diliman / University of Minnesota / University of Pretoria / 中央大学 / University Malaysia Pahang / CAChemE – Universidad de Alicante / Hoso University Yokohama National University / University of Detroit Mercy / 東京工業大学 / University of Arizona / 岐阜大学 / University of Colorado / University of Leon / 東北大学 / University at Buffalo / 京都工芸繊維大学 / Universidad de Los Andes / The Chiba Prefectural High School/ 近畿大学 / Universiti Malaya / California Polytechnic State University / 名古屋市立工業高等学校 / Marche Polytechnic University / Loughborough university / 群馬大学 / 立命館守山高等学校/ 立命館大学 / Hochschule Bremen / University of Calgary / University of Melbourne / 松江高専 / 千葉大学 / 東海大学 / Brno University of technology / University of Greenwich / 富山大学 / Inholland University of Applied Sciences / 千葉工業大学 / Amity University / Guru Gobind Singh Indraprastha University / 金沢工業大学 / Richview Collegiate Institute / Stellenbosch University / 新居浜工業高等専門学校

Flowsquareに関するツイート

Back to Top


ダウンロード

以下のリンクから、ソフトウェア、関連するドキュメントなどをダウンロードして下さい。

ソフトウェア使用許諾:Flowsquare(フロースクエア)4.0には無料ライセンス、寄付ライセンス、学生ライセンスの3つのライセンスの種類があり、ソフトウェアのインストール直後は無料ライセンスが割り当てられます。無料ライセンスには機能制限・使用期限を設けてありませんが、このライセンスでは最高演算速度でシミュレーションを行う事が出来ません(ライセンスの種類参照)。使用者は上記ライセンスのうちいずれかと本ソフトを利用して、流体の数値計算、解析を行い、得られた結果を私的・公的・商用・非商用問わず自由に使う事が出来ます。

免責事項:本ソフトを使用したことによる一切の損害(一次的、二次的に関わらず)に対し、開発者は一切の責任を負いません。本ソフトを使用する場合は利用者の責任の下で使用してください。また、ある程度の動作検証は行っておりますが、本ソフトの動作保証・精度保証は致しません。

  • Flowsquare ver 4.0: Flowsquare4.0.zip(実行ファイル) – 1.16 MB
    for Windows Me, 2000, XP, Vista and 7(ウィンドウズ8は未確認ですが動くかもしれません。) ※マニュアルを同梱してません。ページ上方のリンクから使い方のレッスンへお進み下さい。
  • 入力ファイル:2D_Channel_Flow.zip(2次元チャネル流れ) – 2.74 KB
    この入力ファイルは上記実行ファイルの中に含まれていますが、デフォルトの設定に戻したくなった場合に使ってください。通常は必要ありません。
  • ユーザーガイド:セオリーと数値計算(英語のみ) – 913 KB
    このユーザーガイドは主にソフトで使われている背景的な理論を説明したものです。シミュレーションを行う上でこれらに関する理解は必ずしも必須というわけではありませんので、理解できなくてもレッスン1.1に進みましょう。

インストール方法:上記の実行ファイルをダウンロードしたら、flowsquare4.0.zipを解凍し、フォルダの中身を確認してください。flowsquare.exebc.bmp及びgrid.txtがフォルダの中に格納されています。これらのファイルは既にレッスン1 — 2次元チャネル流れの為に設定してありますので、ダブルクリックし、ソフトウェアを実行しましょう!

Back to Top

メディア・イベント

Back to Top

開発者

profile_pic 名前:源 勇気
居住地:日本
Email:flowsquare[ATMARK]gmail.com
Web: http://www.yukiminamoto.com
興味・経験(学術的):反応性乱流、流体力学、熱輸送、高性能数値計算(MPI&GPGPU)、レーザー計測(SPIV&PLIF)、自転車レース(ロード&トラック)
言語:日本語 (ネイティブ), 英語, c, c++, Fortran, CUDA, Matlab, HTML, LaTex
学歴:

  • 2015年 9月 — 助教 東京工業大学 機械宇宙システム専攻
  • 2014年 6月 — 博士研究員 米国サンディア国立研究所
  • 2014年 2月 — 博士号 (工学) 工学部・ケンブリッジ大学(英国)
  • 2010年 3月 — 修士号 (航空宇宙工学) 機械宇宙システム専攻・東京工業大学
  • 2008年 3月 — 学士号 機械宇宙学科・東京工業大学(3年間での早期卒業)
  • 2005年 3月 — 卒業 兵庫県立大学附属高校

Back to Top